新サーボラインアップ!PMXシリーズを発表しました!
新しいサーボラインアップとして”PMX”サーボシリーズを発表します。
PMXシリーズは、近藤科学が設計、開発した高機能、高精度なサーボラインアップです。サーボケース内に、特殊アルミギヤ+ステンレスギヤとモータ、角度センサ、さらにモータドライバを実装した制御基板が一体になっています。これにより、ケーブル1本を接続し、電源と仕様に合わせたコマンドをサーボに供給するだけで簡単に様々な機能を使用することができます。
PCやマイコンボードなどコントローラからの指示により、角度による位置制御のみならず、速度、電流(トルク)の指示データによる制御方法を備えています。また、現在の角度やモータ温度、電流値など多彩なフィードバックを得ることができます。
コンパクトな製品構成を活かした組み込みのしやすさ、サーボの交換しやすさが好評です。また、高出力なモータを採用しているため、搭載スペースを抑えつつ、高いトルクを発揮します。
2023.12.12 最新版のカタログを公開しました。
ラインアップ
・PMX-SCR-9204HV
最大トルク:9.74[Nm] (99.3[kgf・cm] )
無負荷回転数:47[rpm](0.21[s/60°])
・PMX-SCR-9203HV
最大トルク:8.07[Nm] (82.3[kgf・cm] )
無負荷回転数:71[rpm](0.14[s/60°])
・PMX-SCR-5204HV
最大トルク:6.18[Nm] (63.0[kgf・cm] )
無負荷回転数:64[rpm](0.15[s/60°])
・PMX-SCR-5203HV
最大トルク:4.08[Nm] (41.6[kgf・cm] )
無負荷回転数:95[rpm](0.10[s/60°])
全て12V時
最初に4機種を発売します。今後も順次ラインアップを増やしていく予定です。
発売予定:2022年11月
2023.9.19 PMX-SCR-5203/5204を発売しました。
5種類の制御モードに切替可能!
サーボは組み込むメカやご利用方法により用途が異なりますが、PMXサーボは制御モードを位置制御、速度制御、電流制御、トルク制御に切り替えることで幅広いニーズに対応することができます。
・位置制御モード
角度(ポジション)を指定し、目標の角度に向けて軸が移動する制御方法です。一般的なサーボモータの制御モードです。片側最大320°の範囲で指定することができます。
・速度制御モード
軸の回転速度を指定して動作するモードです。位置制御モードと組み合わせていない場合は、無限回転しますので、車輪やプーリーの動力として使用できます。
・トルク制御モード
指定した電流値、または推定トルク値に合わせて一定の出力で動作するモードです。位置制御モードと組み合わせていない場合は、サーボの軸が無限回転します。
トルク制御は電流値から推定トルクを算出して指令値としています。内部にトルクを検出するセンサは搭載していません。そのため、搭載しているモータや機構部品の個体差により出力するトルクと指令値に差が発生する場合があります。動作は電流制御と同一です。
・電流制御モード
指定した電流値により一定のパワーで動作するモードです。位置制御モードと組み合わせていない場合は、サーボの軸が無限回転します。
・フィードフォワードモード
モータの出力を指定して動作するモードです。デューティー比-100.00%(CCW)~+100.00%(CW)の範囲で指定することができます。
制御の組み合わせに対応
制御モードを組み合わせて使用することができます。
組み合わせ例
・位置制御+トルク制御:指定されたトルク値に合わせて出力を一定に制御しつつ、目標角度まで移動します。トルク制御と組み合わせていない場合は、最大トルクで動作します。
大電流に対応する6ピンのサーボコネクタを採用
これまでのサーボコネクタは、電源、GND、信号線(Tx/Rx)の3~4ピンが一般的であり、電源とGNDはそれぞれ1つでしたが、PMX-5200/9200シリーズは6ピンのコネクタを採用することで電源×2ピン、GND×2ピンに増設されました。これにより、これまでの2倍(理論値)の電流を流すことが可能になり、ハイトルクなモータや多数のデイジーチェーン接続に対して、より安定した給電が可能になりました。
No.6 電源 | No.4 D- | No.2 電源 |
No.5 GND | No.3 D+ | No.1 GND |
※こちらの図、表はハウジングに刻印されている端子番号順に掲載しています。
高精度14bit磁気式エンコーダーを採用
非接触磁気式エンコーダーは接触部分がないので長寿命。さらに14bitの解像度でサーボを制御
しています。
※ギヤのバックラッシュやイナーシャにより動作角に影響を受ける場合があります。
使いやすいコマンド体系
PMXシリーズは、用途ごとに専用のコマンドを用意しています。コマンドを使用することで、動作指示データの送信や、各種パラメータの書き換え、読み出し、展開、保存、工場出荷時へのリセットなどを行うことができます。詳細は、後日公開するリファレンスマニュアルをご参照ください。
信頼のRS-485規格
通信はRS-485規格に準拠しています。差動信号のためノイズに強く、3Mbpsの高速通信が可能。マルチドロップ接続で最大239個接続可能(理論値)。コントローラをPCとする場合のUSBアダプターや、マイコンボードとする場合の変換基板をオプションとしてラインアップします。
メモリーマップIO
メモリーマップドIOを採用しているので、メモリーのデータを読み書きするだけで実際にサーボモータが動作します。
マルチキャストコマンド
サーボごとにID番号を設定できます。また、ID=255はブロードキャストIDとして使用。デイジーチェーン接続された全てのサーボモータを同時にコマンド実行させることが可能です。
サーボの動作指示に特化したMotorWRITEコマンド
MotorWRITEコマンドにより、サーボに角度や速度など、目標値を送信し動作させることができます。動作に特化した専用コマンドを用意しましたので、初めてPMXサーボを制御する方でも直感的に使用することが可能です。さらに、制御モードを組み合わせた場合、目標位置、速度、電流値などを連結して送信することができますので、最小限のパケットでサーボを制御することができます。
例:位置制御+電流制御を組み合わせた場合
豊富なフィードバック情報
コントローラーからの指示により、サーボの状態を受け取ることができます。また、従来はサーボからのフィードバック情報を、動作指示から独立したパケットで都度取得していましたが、PMXはサーボを制御するMotorWRITEコマンドの返信パケット内に、フィードバック情報を含めることができます。さらに、どの情報をフィードバックするか指定することができますので、ユーザーは必要最低限のパケットサイズで最適な情報を得ることができます。
【取得できるデータ】現在位置、現在速度、現在電流値、現在トルク値、PWM出力値、モータ温度、CPU温度、入力電圧
例:現在位置+現在電流値+現在のモータ温度を選択した場合
位置ゲイン、微分ゲイン、積分ゲイン
PID制御ゲインを任意のパラメータに調整することが可能です。
システムエラー検知機能・ソフトウェアリミット
入力電圧やCPU温度、モータ温度、モータロック検知など各種システムエラーをメモリー上に保存しています。また、安全のためのリミット機能を搭載しています。モータやCPUの温度に対して制限をかけることで、故障の原因を減らすことが可能です。
ファームウェア書換機能を実装
ご利用者の手元で弊社から提供される最新のファームウェアに書き換えることができます。これにより、機能の追加や不具合対策など常に最新のファームウェアバージョンにアップデートしてご利用いただけます。
※機種やバージョンにより、一部制限がかかる場合があります。
詳細なマニュアルを公開
PMXシリーズのサーボモータを制御するためのコマンドリファレンスを公開します。こちらの内容に沿ってパケットを送信することで、自由にサーボを動かすことが可能です。
『PMXソフトウェアマニュアル(コマンドリファレンス)』(11月公開予定)
KONDOが培ってきた堅牢な機構
KONDOがこれまで開発してきたKRSシリーズやB3Mシリーズで鍛え上げられてきた機構部の技術をPMXにも継承し、高剛性、高耐久性のサーボに仕上げました。
■出力軸:Iカット型
PMX-5200/9200シリーズは、Iカット型出力軸を採用しました。出力軸の径を太くすることで、破断に対する耐久性が従来より約1.8倍向上しました。
また、Iカット型はこれまでのセレーション(ギザギザ)形状に比べて長期間の使用に対する出力軸のガタツキが軽減されています。
平面が多い出力軸には、自身で制作したホーンやフレームを直接取り付けることも可能ですので、組込みし易さも向上しています。さらに、Iカット型専用のホーンを取り付けることで、従来と同じようにフレームを固定することができます。
■ギヤ:特殊アルミギヤ+ステンレスギヤ
強度が非常に高く軽量な特殊アルミギヤを標準装備。さらにサードギヤにステンレス製のギヤを組み入れることで強度がアップしました。サードギヤは、肉抜きにより軽量化されています。出力軸を大径のベアリングで支持することで、さらに安定性を向上。本製品にはトルクタイプのギヤが組み込まれています。
■ケース
・高強度のアルミケースを採用
トップケースとミドルケースをアルミ製にすることで、ギヤシャフトのガタツキを軽減しハイパワーな出力に耐えうる高剛性、高強度な性能を実現しています。サーボ本体の剛性を確保しつつ、ロボットの骨格となる外部のフレームもこのアルミミドルケースに固定することができます。ミドルケースは、モータのヒートシンクも兼ねており、冷却効率がアップしました。
・ケースビス
ケースビス、及びフレーム固定用ビスはM2.6を採用。サーボ本体の剛性を確保しつつ、フレームをより強固に固定することができます。
・フリーホーンを取り付け可能
ボトムケースには、出力軸のホーンと対になるフリーホーンを固定できます。フリーホーンを使用することで両軸支持のフレームパーツを固定することができます。
・ケーブル脱着式
ケーブルは脱着式で必要な長さのケーブルに交換することができます。コネクタが2つ実装されていますので、サーボに任意のIDを割り振ることによりサーボ同士を数珠状につなぐデイジーチェーン接続をすることが可能です。
■制御方法
●PCから制御する
RS-485 USBアダプターHSを使用することで、PCから直接サーボを制御することができます。ソフトウェアマニュアル(コマンドリファレンス)をもとにコマンドを送信します。また、ご利用しやすいように各言語のライブラリを公開予定です。
【制御必要な製品】
・RS-485 USBアダプターHS
・電源分配基板(6pin端子)(アダプターに付属します)
・電源(9~12Vのバッテリ、または安定化電源をご用意ください)
【構成図】
●市販のマイコンボード、小型PCボードから制御する
市販のマイコンボードのUART端子からPMXサーボを制御することができます。PMXサーボの通信仕様はRS-485ですが、RS-485変換基板を中継することでUARTから通信できるようになります。今後、Arduino向けのライブラリを公開する予定です。
【制御必要な製品】
・RS-485変換基板
・電源(9~12Vのバッテリ、または安定化電源をご用意ください)
【構成図】
本製品のより詳しい情報は、準備ができ次第公開していきます。PMXシリーズにぜひご期待ください。