KRS-5000 / 4000シリーズ スペック比較

Posted on 2021.06.28 in

 

KRS-5000シリーズ(以下5000)は、KRS-4000(以下4000)シリーズの上位機種にあたります。一部変更はありますが、外形がほぼ同じですので4000から5000へ換装しやすくなっています。5000は4000より耐久性が高く、スペックが向上していますので載せ替えに大変お勧めです!

この記事では、5000、4000のスペックを比較しながらKRS-5000シリーズの魅力をお伝えしていきたいと思います。

 

 

■商品情報

KRS-5000シリーズは、下記の5種類の製品があります。末尾に"H.C"がついている商品は、アッパーケース(出力軸側のケース)がアルミになっており、他はガラス繊維入りの強化樹脂です。

5054/5034は、トルクタイプ、5053/5033はスピードタイプ、5032はハイスピードタイプのギヤ比になっています。詳細な情報は、下記のリンクから商品ページをご参照ください。

KRS-5054HV ICS H.C

KRS-5053HV ICS H.C

KRS-5034HV ICS

KRS-5033HV ICS

KRS-5032HV ICS

 

■スペック比較表

上記の表のとおり、4000と比較して5000は全機種で最高スピードはほぼ変わないまま最大トルクが上がっています。これにより、4000から5000に変更するだけでロボットをパワーアップさせることが可能です。

ただし、重量が上がっている点に注意が必要です。

5000は4000に対して、樹脂アッパーケース仕様で約19.8g、アルミアッパーケース仕様で約24.8gの重量増となっています。ROBO-ONEなどイベントの競技規則で重量規定がある場合はご注意ください。

 

【速報】ROBO-ONEの重量規則が4kg以下に変更!

従来は、ROBO-ONEに参加するロボットの重量は3kg以下という上限がありましたが、2022年冬の大会から4kg以下にて参加が可能になります。これまで4000シリーズで3kgギリギリで作成していた方でも、5000シリーズに換装しやすくなります。

 

■ケース比較

5000シリーズと4000シリーズはケース寸法がほぼ同じです。ケースビスやフレーム固定用の穴位置も変更ありません。同じフリーホーンを付けた場合はホーンをつけた状態でも同寸法になります。

 

★ポイント1:ミドルケースがアルミケースに変わりました!

これにより、モータの冷却効果が向上しました。さらに、フレームを固定する際にミドルケースにビスを締めこみますが、より強固に固定できるようになりました。

 

KRS-5054/5053は、標準でアッパーケースもアルミを採用しています。出力軸やギヤシャフトの軸受け、アッパーケースに固定するフレームパーツに対しても耐久性が向上しています。

 

★ポイント2:ガラス繊維入り強化樹脂ケース

5000、4000共に樹脂ケースにガラス繊維入りの強化樹脂を採用していますが、5000は4000より多くのガラス繊維が含まれています。そのため、樹脂ケースで比較しても4000より高い強度、剛性を確保しています。

 

★ポイント3:出力軸がIカット型になりました。

出力軸が太くなることで破断に対する耐久性が従来より約1.8倍向上しました。衝撃に対するブレが減少することで、モーションの再現性が高くなりました。

※寸法図から抜粋

 

■使用できるホーンについて

 

4000の出力軸は「アルミローハイトサーボホーン」が定番だったのに対し、5000は専用の「アルミサーボホーン(Iカット型) KRS-5000シリーズ用」を使用します。

フリーホーンは、5000,4000共通で「ベアリング付きアルミフリーホーン KRS-5000/4000シリーズ用」または、「ベアリング付きアルミフリーホーンB KRS-5000/4000シリーズ用」を使用できます。

Bタイプのフリーホーンは、ホーン装着時のケースからの高さが従来に比べて0.4mm低くなりました。これにより、出力軸側の高さと同じになり、サーボを反転して搭載しても均一な高さを維持できるようになりました。両側にホーンを付けた時の寸法が、39.9mmから39.5mmになります。

 

■取付方法

4000のケースビス、フレーム固定用のビス穴が2mmだったのに対し、5000は2.6mmに変更になりました。これにより、サーボ本体の剛性を確保しつつ、フレームをより強固に固定することができます。フレームを固定する場合は下記を使用します。この穴位置は4000から変更ありません。

フレームの固定に関しまして、詳しい情報は下記のPDFをご参照ください。

 KRS-5000_Frame-BISS.pdf

 

5000は出力軸がIカット型になったことで、ホーンのビス穴が変更になりました。φ2.6のビス穴は出力軸まで貫通していますので、フレームを出力軸にしっかり固定することができます。

φ2のビス穴を使用した場合は、フレームをホーンに固定することになります。Iカット型は従来のように軸とホーンが圧入されていませんので、中心の固定ビスを外すことにより簡単に着脱することができます。例えば、イベントなどでサーボを交換する場合、取り外すビスを削減できますのでメンテナンス性に優れています。

 

 

■制御方法

制御方法は変更ありません。定番のRCB-4HVで手軽にモーションが作れますし、ICS変換基板を中継してマイコンボードから制御することもできます。Dual USBアダプターHSを中継してPCから制御することも可能です。

・RCB-4HVから制御する場合

 『HeartToHeart4ユーザーズマニュアル Ver.8』

 

・市販のマイコンボードから制御する場合

 『ICS変換基板の使用方法(1) 準備編』

 『ICS変換基板の使用方法(2) サーボ制御編』

 

・PCから制御する場合

 『シリアルサーボ制御方法(4) PCから直接制御編(その1)』

 『シリアルサーボ制御方法(5) PCから直接制御編(その2)』

 

★ICS3.6対応になりました!

ICS(Interactive Communication System)とは、モジュール・コントロールボード間の双方向データ通信規格です。コントロールボードでのサーボの制御時の通信や、PCなどを使用してのサーボモーターの設定変更などが可能です。

ICS3.6は、現在値を取得できるコマンドを実装しました。詳しくは『ICS3.5/3.6解説』をご参照ください。

 

★他のKRSサーボとKRS-5000は混在が可能

ICSの角度指定コマンドはどのバージョンでも統一されていますので、KRSサーボでしたら異なるICSバージョンのサーボをロボットに混在して搭載することができます。

ただし、RCB-3を使用している方は、一部制限があります。詳しくは下記の記事をご一読ください。

『ICS3.6の一部のサーボモータをRCB-3HVで使用した場合の不具合について』

※対応電圧が異なるサーボは混在できません。

 

 

上記の通りKRS-5000シリーズは、KRS-4000シリーズとの互換性は残しつつ、各箇所を強化しました。KRS-5000の進化をぜひ組み込んでご体感ください。