HeartToHeart4講座(5-4) プロジェクトを新規作成する
今回は第五章の最終回です。バッテリーを過放電しないための設定について解説します。特にリチウム系のバッテリーを搭載しているロボットには重要な内容になっていますので、ぜひ最後までご一読ください。
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第一章~第四章については下記のページからご参照ください。
第五章
HeartToHeart4講座(5-1) プロジェクトを新規作成する
HeartToHeart4講座(5-2) トリム調整とホームポジション
HeartToHeart4講座(5-3) スタートアップモーション
7.バッテリーを過放電しないための設定
リチウムフェライトバッテリー(Li-Fe)など、リチウム系のバッテリーは過放電になると破損してしまいますので注意が必要です。HeartToHeart4には、電源電圧が一定以下の電圧になると自動でモーションを再生する機能が備わっています。リチウム系のバッテリーを搭載する場合は、必ずこの機能を設定してください。
※過放電とは、バッテリーの性能以上に放電しまった状態を指します。ロボットが動作し、サーボなどに電力を供給するとバッテリーの電圧が徐々に下がっていきますが、バッテリーが定める下限値の電圧を下回った状態を過放電とよんでいます。
※この機能は、必ず過放電を防止するための機能ではありません。あくまで予防としてご利用ください。また、バッテリーのご利用時間を常に管理し、こまめにバッテリーの電圧を確認して残量が少なくなったらすぐに充電するようにして下さい。
1)「プロジェクトウィンドウ」ボタンで「プロジェクト設定ウィンドウ」を開きます。
2)「プロジェクト設定」タブに「電源電圧低下時のモーション再生」があります。ここの「電源電圧が(1)」に閾値としてバッテリーが過放電になる前の電圧を指定します。例えば、弊社の3セル(9.9V)のリチウムフェライトバッテリーですと8.7Vを下回ると過放電になります※ので、9.0Vに設定します。過放電は危険な状態でもありますので、なるべく余裕をもった閾値を設定してください。
※過放電になる電圧はメーカーや製品により異なります。付属の取扱説明書などをよくご確認の上ご利用ください。
3)電源電圧が設定した閾値を下回った場合に自動で再生するモーションを選択します。例えば、頭部のサーボを動かして「首を振る」などのモーションを予め作成しておき、ここに設定します。
※合図になるモーションが再生されるころにはバッテリーの残量が少なくなっていますので、なるべく動かすサーボを最小限にして電力を消費しないモーションを指定してください。
4)設定が完了したら、同じウィンドウ内の「ROMにすべて保存」ボタンでプロジェクトを書き込み、ロボットを再起動します。
5)最後に「プロジェクト保存」ボタンでプロジェクトを保存します。
以上でプロジェクトを新規作成する作業はすべて完了です。ここからモーション作成を開始できます。モーション作成をお楽しみください!
【参考】
※モーション作成や調整中は、バッテリーの残量に十分ご注意ください。夢中になってモーションを作成していますと気づかぬうちに過放電になっている可能性があります。
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